防具を洗濯してみよう


防具を洗濯してみよう

概要


 剣道の防具は稽古の汗をつねに吸収し、そのまま乾燥されます。したがって汗のにおいや塩分が析出したりして、あまり衛生的とは言えない物です。そこで、小中学生が使う防具で、もっとも汗を吸う面と小手について洗濯する方法を考え、それを実践してみました。結果、面は汗の重さがなくなり、すごく軽く、清々しく感じる物になり、酷い臭いなどは感じないレベルにすることができました。以下は面、小手の洗濯の方法を説明した記事になります。この記事は私が行った方法であり、防具を傷めないという絶対の保証はありません。剣友会のお母様方はお子様の防具を清潔に保ちたいと考えておられる方がほとんどなので、とりあえず実践した見た方法で、一番良かった方法をここで説明することにします。
この記事の通りに防具の洗濯を行うことで、その結果を保証出来る物ではありません。実践される方のご自身の責任において洗濯をしてください。このページを作った私の方は結果について保証はできません。その点をご了承ください。

用意するもの


洗剤(@スーパーバイオ)

    http://www.barjp.com/kinuya/shop/rams/index.html
    天使の洗濯ショップから通販で購入できます。この商品の使用事例に剣道防具の洗濯に関する記事があります。本記事はその記事も参考にしています。

衣装ケース
 

    洗剤を溶かし、防具を漬け込むために使います。風呂桶でもいいのですが、その分洗剤も多く消費しますので、適切な大きさのものを見つけました。
    洗剤を溶かすお湯の量は面金上に向けてをおいた時に面淵皮の下までになります。その深さをカバーできる大きさがいいでしょう。

洗う前の状態

ここで洗濯した面は「織刺ミシン仕立」で小手は「紺奴」といわれる物でした。面の方はあまり問題ないのですが、小手はかなり色落ちします。紺革仕立ての防具では、あまりもみ洗いしない方が良いのではないかと思います。私も面を洗うのは織刺仕立てのものだけを行っており、紺革のものは扱ったことがありません。洗う前に面紐は乳革と一緒に取り外しておくのがいいでしょう。

面の内側はかなり汗と垢が付着しています。内輪のあご当て部分にははっきりと垢が固まっているのがわかります。
面の外側、面布団には塩を吹いた様子がはっきりとわかります。面紐にそって浮き出ています。

手順

最初に洗剤を溶かすお湯の量を計算します。衣装ケースの寸法と面を浸ける深さを求めましょう。
ここでは約45リットルのお湯を使うと計算されました。

洗剤は10リットルに対して40gを使うようにしました。ここでは40×4.5=180gとなります。洗剤を入れる容器として豆腐のパックを使っています。はかりで正確に計量するとよいでしょう。
衣装ケースにお湯を注ぎはじめ、同時に洗剤をいれます。なるべく良く溶けるようにかき混ぜます。洗剤はかなり強いものなので、素手で扱うには注意が必要です。肌荒れしやすい人は手袋を使いましょう。
お湯の温度は45℃にセットしてあります。
ある程度のお湯が入って、洗剤が溶けたところで面を浸けます。この時に一緒に小手もいれました。色落ちしない小手ならいいとおもいます。色が抜ける小手も一緒で問題ないとおもいますが、色が気になる場合は小手だけ別の容器で洗うといいと思います。
面淵革の下ぐらいまでお湯をためた状態になったら、そのままにしておきます。泡が面の内輪の顎当てや、額当より上になれば大丈夫だとおもいます。面淵革にお湯が少々ついても気にしなくても大丈夫。もともと、この革は堅いために、蒸気で柔らかくしてから面に巻き付けます。少々の濡れは大丈夫です。面の布団部分が十分にお湯につかるようにしましょう。
2時間ぐらいしていったん面を取り上げてみました。汚れ(垢)の固まっていた部分はふやけて柔らかくなっているようです。
念のために垢が固まっていた部分を古い歯ブラシでブラッシングしておきました。これでほとんど落ちると思います。ブラッシングが終わりましたら面を同じように浸けておきます。
3時間の浸け洗いを終了し、面を引き上げます。よく石けん水を切ります。
石けん液を捨てます。紺染めの色落ちもありますが、それより汚れの黒さがわかるような感じです。
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洗う時と同じようにすすぎ洗いを行います。洗剤の泡が消えるぐらいまでお湯を入れては捨てるという繰り返しになります。私は5回ぐらい行います。洗剤が流れ切れると排水する時の水の様子が変わります。洗剤が強い時は排水溝に素早く流れますが、だんだん流れきるまでに時間がかかるのがわかると思います。すすぎは面を少し手で揺すったりして、積極的に洗剤を洗い流すようにしました。


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洗い上げた状態の面と小手です。小手は少々、手を使って絞ってしまったので、手の内革の縁が色落ち激しく、赤くなってしまいました。
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小手を洗濯機で脱水するために、古い大きめのタオルでくるみます。紺色に染まるので捨てる事を考えて使いましょう。
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面も同じく洗濯機で脱水するために古い大きなタオルでくるみます。とくに面金に堅さがでないように2重にくるみました。脱水中にはずれないように紐で縛ってあります。このときに使った紐は胴紐の古い物を使っていますが、ほかのものでも良いでしょう。剣道を永くやっていると、こういう古い紐の半端が出ますが、意外と便利なので取っておくと良いですね。面布団の下の方がはみ出ていますが、この部分は特に問題ないと思います。

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脱水するときに、面金の部分が洗濯槽の中心に来るように入れます。小手をうまく挟むとか、小手が無ければ、代わりになにかタオルでもいれておくといいと思います。脱水は3分ぐらい行いました。
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脱水が終わり、タオルをほどいた状態です。面の内輪のビロード部分がふわっとしているのがわかるかと思います。小手も絞れた状態ですが、少々揉むと形が戻ります。色落ちしてくるので手袋をした方がいいかもしれません。
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小手は針金ハンガーを曲げて作った金具を使い、面は面金に紐を通して布団が下になるようにして吊して乾燥させます。春の天候の良い日で2日ぐらいで乾きました。
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完全に乾いた面の状態です。洗濯前の汚れはきれいに流れ、内輪も清々しい感じになっています。洗った結果として、内輪が少々縮んでいます。手でもみほぐし、実際に使えば元に戻ると思います。洗えば少々縮むような感じになるのは仕方ない事です。

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小手は革の部分が硬くなります。保革油など市販されているものを少々塗っておくのが良いでしょう。紺革部分は剣道具を扱っている店に紺染の保革油が販売されていますので、それで抜けた色を補うと良いでしょう。手の内革も保革油がでています。小手の場合は紺色で逆に染まってしまった部分(小手の中の木綿生地)がありますが、その部分についていた汗、垢汚れがきれいに落ちているのがわかると思います。

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